（株）池田製紐所による「くみひも技術」の伝統と革新

（株）池田製紐所による「くみひも技術」の伝統と革新

2014年7月9日

当所会員事業所の㈱池田製紐所が岡山大学と直径0.8ミリという世界で最も細い人工筋肉の共同研究に成功しました。せんいのまち児島の伝統産業である組紐の技術を使い最新の研究を行っています。
㈱池田製紐所は、アパレル関係の紐を主要に取り扱い、靴ひも、ストラップ、手芸用のひもなど数百種類も製造しています。そして今回このくみひも作りのノウハウをいかして人工筋肉の開発に取り組みました。この人工筋肉はシリコンチューブのまわりをくみひもと同じ方法を用いて特殊な繊維で覆っています。この管に空気を送り込むと管が太くなり全体が縮み、空気を抜くと伸びて元に戻り、本物の筋肉のような伸縮を生み出します。

今回開発された人工筋肉は世界最極細というだけでなく、任意の繊維数、交差角度でユーザーのニーズにあった人工筋肉の量産が可能となったという点で従来のものと大きく異なっています。今後は、様々な医療機器や筋肉の衰えた人のための介護器具、介護する人への負担を軽減するパワースーツなどへの活用が期待されています。
昔ながらの機械と伝統の技術をいかした最先端の人工筋肉の開発という新たな挑戦が始まっています。